miu 1st single "I am Me."

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miu 1st single "I am Me."
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Y.M.Entertainment
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concept story

私には友達がいる。
鏡の向こう側に。

その子の名前はmiuという。
miuは言葉が嫌いらしい。
いや、正確に言うと
「言葉を使ってる私のことが嫌い」らしい。
「あたしはあんたの言いたいことは言葉がなくても分かるのに、言葉にするとあんたの言いたかったことの本当の姿が見えなくなる」のだそうだ。

正直よくわかんなかった。
けどさっき顔を洗う時、手ですくった水がどんどん溢れていくのを見て、
「ああ、なるほどな」と思った。
顔を上げると鏡の中にmiuがいたので、
「ごめんね」と言うと、
「ほら、また！」と怒った。

しまった。
また言葉のせいで私の中の真実を分からなくしてしまったらしい。
なんだか本当に申し訳ない気持ちになってきてmiuの方を見たら、申し訳なさそうな私の顔が鏡に写っているだけだった。

miuは写真に写ってる人間や動物なんかと意志の疎通ができるらしく、写真を一緒に見ながら
「この人、すごく悲しいことがあったんだよ」とか
「この犬は今おしっこしたいのを我慢してるよ」とか
得意げに話してくれて面白かった。
けど、電車の脱毛広告の女の子とはすごく仲が悪いみたいで、居合わせる度に「アイシ！」と叫んで機嫌が悪くなるから、脱毛広告の無い車両を毎回探すのが大変だった。
(そして、これがなかなか無いのでほんとに大変だった)

二人並んで座って車窓を眺めていると今この瞬間も
言葉を使わなくてもmiuは私の中の真実を見抜いているのか気になった。

私の中の真実っていったい何？

miuの方を見ると、miuも私の方を見ていた。
そして「何も見えないよ」と言った。
「今は、あんたしか見えないよ」と。

ふーん。
そういうもんか。
車窓の景色が絶え間なく流れていく。
そういえば、電車の外にいる人から見た電車の中の1秒は、地上の1秒よりも長いらしい。
ということは、この電車の外にいる人から見た私たちの時間は実際の私たちの時間とは違うということになる。
じゃあ、外の人から見た私たちの1秒と、実際の私たちの1秒の差は、有限でも無限でもないってこと？

うーん。
なんだかよくわからなくなって目を細めていると、
miuが目の前にある薄毛治療の広告のおじさんを指差して
「あの人、毎日頭を剃るのが大変なんだって」と言って笑った。